言葉の感触

チンパンジー研究の第一人者であるジェーン・グドール。

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彼女の代表的な業績のひとつに、「チンパンジーの道具制作行為の発見」がある。

それまで、道具の制作こそが、チンパンジーとヒトを区分する境界線とされてきたが、彼女の発見によってこの定義が覆されることとなった。

『我々は「人類」の定義をし直すか、「道具」の定義をし直すか、さもなくば、チンパンジーも「人類」の仲間に入れるしかないようだ』(Louis Seymour Bazett Leakey)

 

僕たちは、ヒトやモノや現象、あるいはそれらの関係性を、「言葉」で整理して頭の中に位置付けている。

対象が変化したり新たな発見があると、その整理の仕方や「言葉」自体を修正して、頭の中に定着された世界を再構築しなければならない。

同じものでも「言葉」によって理解が代わり、感じ方が変わる。逆に言えば感じ方は言葉にとらわれ、導かれる。

 

何かについて語るとき、この「対称物と言葉の距離」を意識しないと、独りよがりな言説になる可能性がある。

設計者として建築やデザインを伝えるときに、より近い感覚を相手に感じてもらうためにも、言葉の感触をより適したものに研ぎ澄ましていく意識を怠らないようにしたい。