月別アーカイブ: 2013年7月

抗わない

 

建売住宅の規格提案をしています.

 

敷地をできるだけたくさんの区画に分割しようとすると、

間口が6m程度で奥に長い 分譲地特有の敷地形状になります.

このような敷地に当てはめられるような プロトタイプを設計しています.

 

一般的な家族モデルを想定して4LDKの間取りと2台分の駐車スペース

(名古屋圏ではこれが必須)が求められると、

大きな敷地ではないので ほぼ自動的に建物のボリュームが決まります.

 

採光の関係で居室は必然的に道路に面する手前側と奥側に配置され、

水回りや動線のためのスペースがその居室に挟まれる平面プランになる.

建材や工法はコストの関係から廉価なものを採用せざるをえない.

 

6mの間口に並列駐車をすると 申し訳程度のアプローチが車の脇を通過して

ファサードの片隅にはりついた玄関へとつながっていく.

 

結果、郊外の分譲住宅地によくある 均質で無機質で およそ豊かさからは遠い

街並みができあがります.

自然な流れでいくと、ああいう家が量産されるのが当然なんだなあと.

経済の原理に絡め取られた住宅群の生成プロセスがよく分かります.

 

それを多くの建築家は「よくないもの」と捉えて それに対する独自の提案をしようとしてきたけれど、

僕は、この現代経済の渦に飲み込まれながら、

それに抗わずに 建築に対する「発見」が まだたくさんできるんじゃないかと思っています.

 

そんなことを考えて小さな提案をいくつかしてみました.

あまり大きな効果があることではないかもしれませんが・・

 

外観1-2

 

自分のもの

手を動かせば動かすほど

今まで育ってきた建築的環境の影響がそこに強く見て取れて

「自分のもの」の無さにうんざりする.

 

手癖目癖が無くなるのはいつなんだろう.

 

DSC_0151

 

 

 

数学で音楽を語る人

僕が直によく知る 最もオリジナリティあふれる生き方をしている人の一人に

大学時代の寮の先輩である小野田智之さんという方がいます.

数学者として フォノグラムという音が生み出す図形の数理を研究されています.

 

f1-2

僕はオノさんの言うことの半分も理解できていないと思うので

詳しい内容にご興味のある方はオノさんのブログを読んでいただくとして、

19歳のときに初めて出会ったときに、

「ヴァイオリンは あの形が音を生み出しているんじゃなくて、音があの形をつくってきた可能性がある」

と話してくれたオノさんが その後 今までずっと、そのテーマを深く掘り下げ続けているということに、

僕はずっと励みを受けてきました.

 

オノさんの研究は、今 少しずつ専門家等から注目を集めつつあるようです.

 

今まで誰も進んだことのない道をかき分けてすすむことの不安は尋常ではないと思う.

それは生活のよりどころにできるような代物では到底ありえないし、

そもそも目の前には道すらあるのかはっきりしない 目的地があるのかどうかも分からない

目の前の景色がいつ開けるかも分からない という状況にあって、

10年以上、ときにゆっくりと ときに速度をあげて ある想いが積み重ねられ続けていることに

心からの敬意を表し ここにオノさんの活動を紹介させていただきます.
 

1. 音と形
物を叩くと音が出ます.
その時出る音というのは,ドとかレといった単音ではなく,複数の音が混ざった状態で聞こえます.その複数の音には最もよく聞こえる振動数の音が存在します.
そこで,そのような音を一つ代表の音として選び,同じ音のする場所をプロットしていきます.
この操作を共鳴板の全ての場所に施すと,図1のような図形が現れます…

fig1_20120120213320s

*画像・斜文字は全て『フォノグラム(音の図形)』より引用

 

ご興味をもっていただける方は、是非リンクのブログを読んでみてください.