地元のディティール

地元へ.

 

ぼくが生まれ育った名古屋の東別院という街は、

南に行くと 金山というJRや名鉄が乗り入れるターミナル駅をもつ街へ

北に行くと 大須や栄という名古屋随一の繁華街へとつながるところにあって、

便の良さの割に にぎやかな街のちょうどはざまにある 静かな場所でした.

 

西側には「お東さん」の呼び名で愛されてきた真宗大谷派名古屋別院があり、

お彼岸や夏祭り、朝の散歩等々・・家族や友達とたくさんの時間をここで過ごしてきた.

ぼくが生まれて初めて迷子になったのはこのお寺の境内だったし、

境内に道場があって、週3日剣道の稽古に通ってもいた.

交差点角にあったうなぎ屋は いつも香ばしい匂いの煙が立ち込めていて、

おつかいで新聞にくるまれた蒲焼きを買うのにワクワクした覚えがある.

 

そんな街もすっかり様変わりー

DSC_0027昔からここに住んできたご近所さんの多くは立退き、

29階建の超高層ビルが建ち、

うなぎ屋や、八百屋や、新聞屋さんは無くなってしまった.

 

通りの向かいにはテレビ局のこれまた超巨大な社屋がそびえ、

街の雰囲気としては綺麗になったのかもしれないけれど、

そのどこにでもあるようなよそよそしい表情がさみしい.

 

地元ってきっと、地元でなきゃありえないような街のつくられ方とか 家のあり方とか、

そういうどうしようもないディティールがたくさんあって、

それは全然効率的じゃないしシャレてないけど 地元だから許容できるみたいなエネルギーを持ってるように思う.

 

ぼくにとっての東別院は今までそういう愛着のある場所だったけれど、

今できつつある街並みは 東京でもありそうだし 大阪のようにも見える

日本のどこだってできちゃうような 「小綺麗な」街だと思います.

 

これからこの街に住む人が、新しい感覚でこの街に愛着を持てるのなら

ぼくの記憶のカケラは無くなっても 街の代謝が繰り返される意味はあるのかなと思いますが.