心を込める

学生の頃からずっと、

このことを 建築をつくるうえでもっとも重要なことのひとつとして、

大事にしてきたと思う.

 

「心を込める」という感覚がどういうものかというのは

言葉でうまく説明できるものではなかなかないけれど、

僕の中でははっきりとした感触の違いがある.

 

設計で言えば、どれだけ時間をかけて どれだけ集中してスタディしたとしても、

内容がある密度に達しないことがある.

この場合はいつまでたっても周りをフワフワ浮遊していて、

自分の中に定着しない.

 

問題になるのは「時間」や「量」よりも「気持ち」で、

いろんな角度から案を見て、いろんな人の立場で考えて、

いろんな自分になって 紙と鉛筆で空間を何度も歩きまわる-

たまには少し時間を置いて見返したり、

ひっくり返して見てみたり-

そういうことを繰り返していると、細かいところまで意識が浸透していくように思う.

 

結果としてそれが持続力なんだと思うけれど、

そんなこと、学生時代には当たり前にやることで

あえて言うことでもなかった気がする.

今は、そういうことをあえて自分に言う必要があるということが

成長でもあり、苦しいところでもあるなあと思う.

 

心を込められれば、もれなくいつもいいものになる.

設計に魂を込められる時間は 人生の中で意外と短いように思うので、

心を込められる自分に、できるだけ多くもっていきたいと思います.