月別アーカイブ: 2017年2月

家と家とその間

小雨の降る中、三重県伊賀市へ.

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小高い丘の上に小さな家を計画しています.
右手の母屋とよい関係をつくることが、この家の心地良さになります.

家をつくるのと同時に、家と家の間や家の周囲をつくっていくこと.
時間の流れによって移り換わっていく生活や人の考えを許容するよう設えること.

自分の中の設計という概念を再考する良い機会です.

 

20年前にもここに居た

法規制の調査のため名古屋市役所へ.
お昼時だったので、高校の頃よく来た地下食堂で昼食をとりました.

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当時高くて食べられなかったカツカレーを.

値段、味、食堂のシステム、空間.
20年前と変わっているところも変わっていないところもありました.

人が何に心を動かされるかということを考えました.

 

愛される建築

お遍路巡りの三十一番札所である高知県竹林寺へ.

納骨堂(設計:堀部安嗣)はもともとその場所にあった獣道に沿ってアプローチが設定され、
それがそのまま建物を貫通する通路に誘われる動線を生み出している.

数時間の滞在の間に、猫が我が物顔で建物を歩き回る様子を何度も目撃しました.

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動物に愛される建築というのは、頭で考えるのではなく感覚的に心地よさが感受される体験を
その内に備えているということだ.
建築を言葉や理屈や見た目で考えがちな自分にとって、そんな風に自然界から許容される建築というのは
おおらかで健やかな存在だと思った.

またエントランスから緩やかなスロープで地中に潜っていく流れは
日本人の人生観や仏教の死生観に違和感無くはまっている感じがした.

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最後に辿りつくささやかな水盤は少しレベルが上がったところに位置していて、
死者と別れて生きて行く者のためにある気がした.
キリスト教的な考え方でいけば、死者は天に昇っていく.
ここはお寺の建物だけれど、最後にこの場所で見る切り取られた空は
宗教を超えて死を想うことを讃えているのではないか.

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こういう懐の深い場が権威のある寺院の中につくられるというのが面白いし、
それが実現することがこの寺院の魅力でもあると思いました.