カテゴリー別アーカイブ: 手仕事

足場からの眺め

綺麗に屋根を葺いていただきました.

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この足場からの眺めは、建物が完成して足場を解体すると

おそらく一生誰も目にすることができません.

そういうものを丁寧に美しくつくることができる人は、

恥ずかしくない仕事として自分の中に確たる基準を持っているんだと思う.

それが見えようが見えまいが、

ブレずにあるクオリティをそなえたいいものになっている.

この力が、総合的な建築の力に一役買っている

とっておき

更地の土地の上に壁を立てて開口をあける.

すると、今までその土地で生活してきて当たり前にあった周囲の環境が

開口で縁取られることによってより身近に感じられたり、はたまたより遠い存在として認識されたりする.

つまり壁で囲い窓を穿つという設計の基本的な操作は、住み手と周囲の関係性を調整する力をもっている.

 

住み手の周辺環境に対する印象をよりよいものにできるような壁と窓の設定ができたときはとても嬉しい.

その喜びは設計する者の特権であると思う.

 

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図面は正直だ

一宮の家Ⅱが上棟しました.

建築士としては、設計の段階で検討を重ねて想像してきた空間が

実際に建ち上がる緊張の瞬間でもあります.

 

図面を描きながら悩んだ部分は悩んだように建ち現れ、

思い切った部分は潔く建ち現れ、

図面はその印象をそのまま引き連れてこの世界に建築を生み出すという意味で

とても正直なものだなあと思いました.

 

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木も生きている

工務店の視察で岐阜の加子母(かしも)へ.

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周囲の山々で育った木々が伐りだされて、ここで建材として整えられていきます.

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おおらかな自然の中で、たくさんの木々が建築としての晴れ舞台を待っているようでした.

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この地には古くから伊勢神宮の式年遷宮のために守られてきた「旧神宮備林」があり、

木を慈しむ心を根底に持って、人々が生きている.

人とともに木も生きている. 当たり前のことを改めて感じさせてくれる貴重な場所でした.

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どんな建材を使うのかという選定も建築家の大事な仕事です.

長い歴史と雄大な自然の中で、今という時代の僕たちの営みを支える建築をどうつくるのか
というスタンスを問われたような気がしました,

できることはやったのか

実施設計がまとまってきました.

 

この段階になると、集中的に描いてきた図面を冷静に見直して

そこでどんな生活がなされていくのかをあれこれとイメージしてみます.

同時に起こりうる問題をいろんな行動パターンから見出して

対策を考えていきます.

 

安保法案の中央公聴会で、学生グループの代表者から

「(野党は)本当にできることは全てやったのでしょうか」という発言があったけれど、

できることを全てやったと言える状況というのはなかなかないだろう.

全てやったつもりでも、後で振り返ってみたらもっとこんな方法があったと思うのが、何にせよ常なんだと思う.

だけどそれでもなお、全てをやり切るという気持ちで向かうことが

何かを打破し、達成することにつながると信じるのもまた

人間の常なんだと思う.

 

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馬籠へ

思い立って岐阜中津川の馬籠へ.

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宿場町の中腹にある藤村記念堂を訪れるといつも

心に栄養が行き渡る気がします.

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エントランス 右への動線をうながす漆喰塀と老木.

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欄干がファサードのアクセントになっています.

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雨落しのディティール.

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犬走り、石敷のぶつけ方.

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レベル差による奥行き.

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建具のリズム.

Exif_JPEG_PICTURE壁の比率.

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何度も同じ建築を訪れることの大切さを教えられました.

 

いよいよ

悩んで何度も練り直した基本設計案を気に入っていただき、これから実施設計に入ります。

 

屋根が織り成すアプローチからのたたずまいが、美しく気持ちよく感じられるように

集中して設計をまとめたいと思います。

 

yotsuyane

描く・考える・作る

計画のスタディを続けています.

敷地や周囲の環境、設計条件やクライアントとのお話をふまえて

その場所に最も合う住宅の形を探ります.

 

絵を描き続けていくとあるべき形を構成する線を見出せるときもあれば、

描きすぎて様々な条件を複合的に掴むことができなくなり

時間を置いて改めて見ると探していた線の位置が不意に見つかることもあります.

描いては考え、また描いての繰り返しです.

 

少しまとまってきたら模型をつくります.

これもまた作っては考えまた作り 時には図面に戻ってまた描きます.

 

まだ見えてこないないなあと

ふと振り返って描いてきたものや作ってきたものたちを見てみると、

最初のものは粗削りで 検討するにつれてずいぶんと洗練されてきているのが分かります.

同時に、最初のものの方が意図が明確で優れていると思うこともあります.

これらの気づきをまた計画に反映させていきます.

 

終わりが見えませんが、着実に変化していくことを楽しめると

思いがけない場所に辿り着ける.

 

知らない街を巡るような旅です.

 

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建物の年輪

現地調査へ.

長い時を経た建造物には、その時代特有の建材や工法や生活の痕跡がある.

そこにしかない「年輪」を拾い出し、それを効果的に伝えるために

何を残し何を刷新し どう空間化するのかという問いは、

美術作品にどう切り口を与えて展覧会を企画するかというキュレーターの問いに似ているかもしれない.

 

暮らしを織り込む

2世帯住宅の計画をしています.

 

住み手が多いため、それぞれの暮らし方に対するヒアリングと 計画への反映が不可欠です.

どんな目的の どんなしつらえの場所かということを考えると、

個室は必ずしも6畳必要ではないかもしれない.

 

当たり前と思われていることをひとつひとつ検証し、

優先順位をつけて整理することによって

暮らしが織り込まれた密度の高い空間ができると思います.

 

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