みんなのために建築はある

ある街の企画住宅、その名も「木角(きかく)の家」.
現場確認してきました.

良質な住宅を低価格で提供することを目指して、
様々な工夫を凝らしています.

 

玄関ホールの省略.
玄関土間から直接リビングスペースに上がります.
引込戸によって玄関とリビングを分けることもできます.

天井を貼らない踏天井で建物を低く抑えています、
梁上の合板に直接2階のフローリングが貼られているので2階の物音が直接的に聞こえますが、
1階の空間の広がりとコストを考慮して採用しています.

2階は間仕切りを住み手の使い方に応じてつくれるように
ガランドウで引き渡します.
家具で緩やかに部屋を分ける等、間取りのパターンをいくつか提案しています.

洗面の鏡収納は窓枠に付けたレールの上を滑らせています.
(木の部分には鏡が貼り付けられます)
奥には引き違い窓があるため、この鏡収納を隅に寄せるとクレセントが現れて
窓を開閉できるようになっています.

バルコニーの奥行きは1365mmで、建売住宅としては少しゆったりした広さがあります.

シンプルで住む人に合わせて変化する家、もう一息で完成です.

おおらかな屋根と暗がり

愛知県長久手市にある万博記念公園へ.

2005年の愛・地球博の後に、博覧会の理念を継承し発展させる施設として地球市民交流センターが建設されました.
設計は山下設計、アドバイザーとしてアトリエ・ワンが関わっています.

内部は大屋根に覆われた半屋外空間と、それを囲むように配置された屋内空間で構成されています.
屋内空間は学習室やスタジオ、会議室等の用途を備えています.

夏の日中でありながら大屋根の下は風が抜け、日差しが遮られることで心地良い場所になっていました.所々にうがたれた大きなトップライトから光が注ぎ、屋内空間一体に明るさと暗さのムラができています.

ここは様々なイベントが行われて多くの人が集まる場所ですが、このムラと全体の適度な暗さが
人と人が近付き過ぎることの不快感を緩和してくれていると感じました.
暗闇には奥行きを感じ、その先に広がりを感じます.

加えて、建物周囲は公園の緑が取り囲んでいます.
暗い場所から輝く緑を眺めると、今まで近くにあった緑とは違ったものに見えて
物理的距離よりも離れた存在として感じます.

おおらかな屋根の下には、日常と程よい距離感をもった特別な体験ができる場所が用意されていました.

予想外

two house の地盤調査.

予想より地盤が悪く、擁壁近くに建築することもあって
基礎の検討をする必要がありそうです.

まずは調査会社の見解をもとに地盤改良の方法を決定し、
その後基礎の深さや形状を考えていきます,

地面の下の見えない部分ですが、ここに思わぬ費用がかかる場合があります.

できるだけコストパフォーマンスの良い選択ができればと思います.

現地調査で考えたこと

梅雨の合間に三重県伊賀の計画地へ.

現地には出来る限り公共交通機関で行くようにしています.
最寄駅からの風景や街並み、そこで生活している人々の息吹等をゆっくり観察できて、
得られる情報が多いように思うからです.
(車の運転が苦手ということもありますが)

伊賀鉄道の最寄駅.
伊賀鉄道は近鉄に接続しているので、大阪や名古屋にアクセス可能です.

周辺にはのどかな田園風景が広がっています.

地域の集会所.
立派ではないけれど、用途に即したシンプルな建ち方.
過不足のない風景を、時間をかけてつくってきているように感じます.

隣接する広場ではよくゲートボールが行なわれています.

敷地は南に緩やかにのぼる坂の途中に位置しています.

敷地の先には地域の小学校があり、この道は子どもの通学路にもなっています.

逆を見返すと北下がりの斜面です.

家をつくるとき、北側の窓は日当たりが悪いという理由で積極的に採用されないように思いますが、
実は北側の景色は背後(南側)からの日射で緑を鮮やかに見せます.
直接室内に日が射すことは少ないですが、落ち着いた室内から北側の窓で効果的に切り取った風景を眺めることは、
とても贅沢なことだと思います.

特にこの敷地周辺は北下がりの土地なので、遠くまで見渡せてすがすがしい気持ちになります.

この眺めと静かでゆったりした雰囲気の中で
外の環境とつながり、同時に住まい手を外の環境から守るというバランスを
探します.

姿勢を正す

以前このブログの中で「立腰教育」について書いたことがあります.
昨日、整体師をしている大学の先輩と再会し、
自分の姿勢や身体の使い方について改めて考えさせられました.

先輩はアレクサンダーテクニークという心身技法を取り入れたレッスンを行なっています.

アレクサンダーテクニークというのは聞き慣れないことばだけれど、
身体と心の不一致を整えて負担を軽減するという考え方だということです.

身体と心の不一致、つまり人間は身体を動かそうとするときに、
実際の身体の構造と脳からの指令のイメージがずれるということが起こる.
これは脳が身体の構造を完全には理解していないことが原因のようです.

例えば、人は頷くときあごを前に出すイメージで動作する人が多い.(僕もそうだと思う)
だけど、首の骨は耳の高さ位まで伸びているので、身体の構造で考えると
両耳を貫通するような回転軸に対して頭を縦に回すというのが「頷く」の自然なイメージなのだそう.

このイメージを描けるように訓練することによって、頭が首の骨の上に乗っかり余分な負荷が減るということです.

僕は昔から姿勢が悪い.
今まで「背が高いから、かがむことが多くしょうがないことだ」と言い訳してきたけれど,
先輩に教えてもらった簡単な姿勢を正す方法を試してみたら心身がすっきりと整う感覚を得ました.

建築設計でも身体が求める物質の納まり方と主に経済的な要因によって形成された物体とが
ずれることが多々あります.
人間の暮らすことへのしなやかさに甘えず、ひとつひとつ検証することでこのずれを減らしていくことが
心身がすっきりと整うような暮らしができる家につながります.

姿勢を正す方法を一度継続してみようと思います.

先輩・土橋健一さんは京都、大阪、名古屋で定期的なレッスンを行なっています.
時間ができたらこちらも行ってみたいです.

心のテーマパーク

家族で岐阜の養老天命反転地へ.

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美術家荒川修作と詩人マドリン・ギンズの構想を実現した実験的なテーマパークです.
敷地にはパビリオンや迷路のような回遊路が張り巡らされていて、
身体で直接体験できる芸術作品になっています.

息子は作者の意図通り、身体全体でこの場所を感じ取って遊び回っていました.

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学生の時にここを訪れたときには、正直この作品をどう捉えたら良いのか悩みました.
建築や空間を見るときに、いつものクセでつくり手の意図や思考を追って 頭で理解しようとしがちですが、
ここではそのような常識的な感覚を覆すことを前提としています.

まだ常識が構築しきっていない息子は、周囲に広がる不思議な環境をただただ本能的に感受して、
肯定して、喜びに変えていました. その素直さに感動しました.

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この場所はこんな風に遊ぶんだよと教えてもらいました.

 

自分で建ち上げてみる

川沿いの2世帯住宅の模型をつくりました

建物と周囲の環境の関係性を確認するための1/100の敷地模型、
建物の外観や間取りをプレゼンするための1/50の建物模型、
天井の高さや窓の位置等を検討するための1/30、1/20の部分模型など
目的に合わせて制作します.

模型は出来る限り人に頼まずに自分でつくるようにしています.

細かい作業なので年齢を重ねると大変になっていきますが、
その計画の図面を描いて空間を熟知した人間がつくってこそ
気付くことがあると思っています.

丘の上の家

少しずつ設計をすすめています.
丘の上の家.

建物と庭の関係. 庭と周囲の森や山との関係.
個から始まって周辺環境へと広がる自然なグラデーションを考えています.

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お御堂の響き

改修を検討しているカトリック南山教会で音響計画の打ち合わせ.

戦後のモダニズム建築の多くが、耐震不足や老朽化により今後のあり方を模索される時期になっています.

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